PoEって何?コンセント不要でLAN工事の費用を削減できる!

PoE という言葉を聞いたことがあるでしょうか?PoEは「Power over Ethernet」の頭文字を取って「PoE」のこと。つまり、正確には「Ethernet(イーサネット)ケーブルを使って電源を供給する技術」のことになります。それだけでは、まず「?」ではなってしまいそうですが、一番の特長は、”コンセントが要らない” ことによる様々なメリットが生まれる、とだけ先に言っておきましょう。

ここからは、PoEとはどのような技術なのか、また、どのようなメリットや利用法があるのかご説明いたします。

▶目次

  1. 「PoE」とは何なのか?
  2. 「PoE」を導入するメリットとは?
  3. 「PoE」のお得な活用法
  4. まとめ

1、「PoE」とは何なのか?

最初に、「PoE」って何?という方のために、冒頭でも少し説明しましたが、パワー オーバー イーサネット(Power over Ethernet)の略で、言葉にすると「ポエ」となりそうですが、正確には「ピーオーイー」と呼びます。

このPoEは、2003年に「IEEE802.3af」規格として標準化された技術で、Ethernet(イーサネット)の配線で利用するUTPケーブル(カテゴリ5以上)を使用して電力を供給することができます。接続されたPoE対応機器はコンセントAC100V電源不要で動作します。

ここで、「Ethernet(イーサネット)」とUTPケーブルに関して補足説明をいたします。まず「UTPケーブル」は、2対の電線をペアにした4組で構成されているケーブルで、このUTPケーブルは私たちが利用しているLANケーブルになります。

次に「Ethernet(イーサネット)」とは、PCとモデムやルーター、スイッチングハブを繋ぐ時に使用するのが「LANケーブル」ですね。このような機器をネットワークに繋ぐ際、どのような機器でも繋がるように規格を統一したのがイーサネットです。簡単に言えば、「Ethernet(イーサネット) = UTPケーブル(LANケーブル)」と考えておくと分かり易いですしょう。

以上のことから、PoEを簡潔に表現すると、「LANケーブルを使用してネットワーク環境の構築をしながら電力の供給もできる技術」ということになります。

PoEとは何か少しはご理解していただいたところで、PoEには電力を供給する機器「PSE」(Power sourcing equipment)と、電力を受ける機器「PD」(Powered device)に分かれています。

「PSE」(Power sourcing equipment)

電力を供給する側の機器のことになり、給電機器にはPoEスイッチングハブがあります。

「PD」(Powered device)

電力の供給を受けることで、コンセントなしで作動する機器のことです。
PDには、無線LANアクセスポイント、PoE受電アダプター、スイッチングハブ、IP電話機、ネットワークカメラがあり
ます。

このPoEを導入することによって、電源を取りにくい場所へLAN機器を設置できたり、電源工事が不要になり導入コストを抑えることができるのです。

2、「PoE」を導入するメリットとは?

次に、実際にPoEを導入してどのようなメリットがあるのか? 前項の通り電源が不要なため、ネットワーク構築はLANケーブルの配線だけになります。そこで、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。

➀コンセント不要!LAN工事費の削減!

コンセントが無い場所や、電源を確保しにくい場所でも電力を供給できるメリットから、ネットワーク構築の際は、LANケーブル配線だけで済み、工事費用を抑えることができます。また、電源の確保が難しい高い場所でも無線LANアクセスポイントの設置が簡単。思いのままにネットワーク環境を整えることができるのです。

➁配線がLANケーブルのみ!

普通なら電力を供給するにはACアダプターなどが必要となりますが、PoEではLANケーブルだけなので配線が簡素化し、床配線の時もLANケーブルだけで済むので薄型のモールでOK。見た目にもすっきりしたネットワーク構築が可能になります。

➂IP電話機もつながる!

ネットワーク機器だけではなく、注目されているIP電話機もPoE対応機器が増えています。IP電話機の配線もLANケーブルのみなので、デスクの上もすっきりします。

以上のように、やはり電源の確保が必要ないことが一番のメリット。その結果としてネットワーク構築がLANケーブルの配線のみとなり、工事費が削減できるのです。

3、「PoE」のお得な活用法

ここまで、PoEの特徴と導入するメリットを説明しましたが、実際にどのように活用すればお得になるのか気になるのではないでしょうか。

その活用法として、電源工事費を抑えることのできるPoEと、LAN配線工事が不要な無線LANを併せて導入することで、 ネットワーク構築にかかるコストを大幅に削減することができます。

LANケーブルを使用する「有線LAN」でネットワークを構築する場合、オフィスの大きさによってはスイッチハブとLANケーブルなどの材料が多く必要になり、さらに電源のコンセントも確保もしなくてはなりません。勿論、配線の敷設にかかる費用も高くなります。

一方の「PoE+無線LAN」でネットワークを構築する場合、スイッチハブは1台で済み、無線LANアクセスポイントは数台必要になりますが、LAN配線がハブと無線LANアクセスポイントを繋ぐだけなので、LANケーブルの材料費や敷設にかかる費用が大幅に削減できます。さらに電源が不要なので、それにかかわる工事費用が一切かかりません。

その際の注意点てして、現在LANケーブルには「カテゴリ5・5e・6・6a・6e・7」の6種類ありますが、PoEで使えるLANケーブルは「カテゴリ5e以上」のケーブルを利用する必要があります。

また、PoE対応機器については、製品型番の数字の後に「P」のある製品がPoEに対応します。
「LP」や「PP」も含まれます。例として、BUFFALO社のスイッチハブ製品を見てみると、

  • BS-GU2016P
  • BS-GU2008P
  • BS-GU2005P

などのようになっています。

4、まとめ

PoE(ピーイーオー)に関する説明でしたが、初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。一番の特徴は何といっても、LANケーブルで電気を供給するという技術になりますので、電源いわゆるコンセントが要らないということです。

無線LANと併用することで、工事費の削減は勿論、ネットワーク構築の際にレイアウトが自由に行えることも大きなメリットになります。現在では、BUFFALO社を含め数多くのPoE対応機器が販売されていますので、コスト削減対策として導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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