法人向けLAN工事に伴うインターネット回線の特徴と費用比較

インターネットに必要なものと言えば、「回線」と「プロバイダ」ですよね。回線をお持ちでない方は、オフィスでLANを構築するためには、まず回線の契約が必要になります。回線は主に「光回線」と「ADSL」や「CATV」の3種類ありますが、現在では光回線が主流になっており、ADSLを使っている事業所は殆ど見なくなっています。この3種類の違いは後ほどご説明いたします。

その光回線でパッと頭に浮かぶのがNTTの「フレッツ光」だと思います、現在では様々な業種が参入して価格競争も激しいものになっています。そこで今回は光回線についての説明と、光回線の事業者の費用やサービスをご紹介いたします。

▶目次

  1. そもそも光回線とは?「ADSL」「CATV」との違いは?
  2. 光コラボレーションとは何なのか?
  3. 光回線の個人向けと法人向けの違い
  4. 光回線事業者の法人向けサービスの特徴と費用比較
  5. まとめ

1、そもそも光回線とは?「ADSL」「CATV」との違いは?

そもそも光回線とは、光ファイバーケーブルと呼ばれるケーブルでデータ通信を行うインターネット回線のことです。
電話やLANなどのケーブルは、主に銅などの金属で構成されていますが、光ケーブルはガラス繊維で構成されています。
また、このガラス状の繊維が束になって通信ケーブルとなったものが光ケーブルと呼ばれ、従来のケーブルと比べて高速で、さらに長距離の通信が出来ることが特長です。

特徴からメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。
■光回線のメリット

  • 通信速度の速さ
  • 通信の安定度

■光回線のデメリット

  • 料金の高さ

また、光回線の新規契約の場合、基本的に工事が必要になります。ですが、既にNTTのフレッツ光回線利用中で、プロバイダのみ乗り換えて光コラボなどにする場合、光回線はそのままで良いので工事は不要です。

次に、インターネット回線の「ADSL」「CATV」の特徴をご説明いたします。

「ADSL」とは

ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line(日本語で非対称デジタル加入者線)」と呼ばれる通信技術です。
何のことだか分からないと思いますが、簡単に言えば「電話回線を利用したインターネット」となります。
光回線登場の5~10年前くらい前には多く普及していました。それまでの回線(ISDNなど)に比べるとはるかに早く、ブロードバンド時代と呼ばれるようになりましたが、光回線の普及とともにその役目は終わろうとしています。

「CATV」とは

CATVとは、有線回線(光またはケーブル)を引いてテレビの信号を家庭まで届けるサービスのことです。そのケーブルを利用して、インターネットサービスもできるため、ケーブルテレビの会社でインターネットや一緒に申し込むことができます。光回線には通信スピードは劣るものの、ADSL以上の安定した通信スピードが出ます。CATVの中で最大のシェアを誇っているのがJ:COMです。既にCATVに契約しているのであれば、料金は比較的安くなるところが魅力です。

この3種類のネット回線を比べたとき、ADSLやCATVに比べると料金が高くなるところが光回線の弱いところですが、そこで、現在何かと話題になっているのが「光コラボレーション」略して光コラボというものが登場したのです。
今では数多くの業種が光コラボに参入し、格安でサービスを提供しています。その光コラボについては次の項で簡単にご説明いたします。

2、光コラボレーションとは何なのか?

光コラボレーションとは、NTT東日本・西日本が提供している光回線「フレッツ光」を販売事業者にNTTが「卸す」という形になり、その販売事業者が利用者と光回線サービスについて直接契約することになります。

フレッツ光で使う設備をそのまま利用しているので速度や品質は変わらず、各事業者が独自キャンペーンなどをプラスした新しいカタチのインターネット回線です。簡単に表現すると、「光回線とプロバイダが一本化されたサービス」ということになります。

現在では、携帯キャリアやプロバイダ事業者などが参入しており、後程ご紹介する「ドコモ光」や「ソフトバンク光」などはこの光コラボレーションを利用したサービスになります。また、フレット光を利用していた人が光コラボに乗り換える場合は「転用」と呼ばれ、工事の必要が無く違約金なども発生しません。

3、光回線の個人向けと法人向けの違い

基本的に、インターネット接続サービスには「個人向け」と「法人向け」に分かれています。
その違いとは何なのか? その違いを簡単にご説明いたします。

➀「通信制限が無い」

法人向けと個人向けのインターネット回線の一番の違いは、法人向け回線には ”通信制限がない” ということです。
法人の場合、使用するデータ通信が膨大になります。一般的に個人向けでは定められたデータ量があり、その量を超えると通信速度が下がってしまい、法人では業務に支障をきたします。そのため、法人契約の場合には、ビジネスに支障が出ないように、速度制限等は課さないようになっています。

➁「固定IPアドレスが取得できる」

IPアドレスは、インターネット上での「住所」に当たります。電話番号の様なものです。この固定IPアドレスを取得すると、自社内にWebサーバーを立てられます。すると、企業同士で取引をする場合、特定以外のIPアドレスを拒否でき、セキュリティ強化対策に役立ちます。

その他にも法人ならではのサービスに、月ごとに請求書を発行してもらえ、毎月の経理処理がしやすくなるメリットもあります。

4、光回線事業者の特徴と費用比較

それでは、光回線事業者の法人向けサービスの特徴と費用を見ていきましょう。

◇NTT

「フレッツ光」

「インターネット」と聞いて、まず頭に浮かぶのは「フレッツ光」ではないでしょうか。インターネットの接続が速く、ホームページを素早く表示させることができます。また、音楽や動画を快適にダウンロードすることができてストレスなく楽しむことができるのが特徴です。

パソコンが10台以上必要な規模のオフィスには、フレッツの法人プランがおすすめです。料金は選ぶプロバイダなどで変化しますが、費用は目安としては次の通りとなります。
月額料金:37,100円+プロバイダ
工事費:18,000円+契約料800円

◇ケータイ会社

docomo「ドコモ光」

ドコモ光の法人向け契約は、ドコモのスマホ・携帯電話を利用している企業様におススメです。ドコモ光とのセット割を受けることができます。また、インテーネット回線と携帯電話の使用料金が一本化されるので、経理処理も簡素化します。
月額料金:5,200円
工事費:2,000円~

au「auひかり」

光ファイバーをアクセス回線とし、KDDIのIPネットワークをバックボーンとした高品質なIP電話と、送信/受信とも最大1Gbpsの高速通信でクラウドサービスの利用に適したインターネットがご利用できる法人向けサービスです。
法人契約でも月額料金はそのままで、個人契約と同じ月額料金で高速の光回線が利用できます。
月額料金:1年目:5,100円
2年目:5,000円
3年〜:4,900円
工事費:無料

SoftBank「ソフトバンク光」

ソフトバンク光は、NTT東日本およびNTT西日本が全国規模で提供するフレッツ光の回線を活用する光コラボレーションによって実現した超高速ブロードバンドサービスです。通信速度は、下り最大で1Gbpsの超高速を誇っており、大容量のコンテンツやサイトの閲覧などを快適に行うことが可能となります。
ネット料金:4,200円
工事費:無料

◇プロバイダ

「OCN光」

「OCN光」とは、NTT東日本・西日本が提供する「光回線」と、インターネット接続サービス「OCN」がひとつになったインターネットサービスです。今まで「フレッツ光」を使っていた人は、別にOCNとプロバイダ契約をするのでそれぞれ、別の請求になっていましたが、OCN光は「光回線+プロバイダ料」と請求が一つにまとまっているのが特徴です。
月額料金:14,760円
工事費:18,000円

「So-net光」

光コラボレーションにより新しく始まった「So-net光」。フレッツ光の回線をそのまま使えるので、工事なく簡単に乗り換えることが出来ます。また、今よりもグンと安くなるので、今までフレッツ光を使っていた人はもちろん、これからネットを引く人も通信費を大きく節約することが出来るようになりました。
ネット料金:5,200円
工事費:無料

「ビッグローブ光」

NTT東日本・西日本による光ファイバーの卸売を受け、ビッグローブ株式会社が提供する最大1Gbpsの光インターネット接続サービスです。日本全国を対象とした提供エリアで、光回線とBIGLOBEによるプロバイダサービスをまとめて利用することができます。
ネット料金:5,180円
工事費:無料

以上の7事業者の他にも地域限定の光回線事業者もあり、価格面に関しては競争も激しく普通に安く提供されています。
プロバイダを含めて総合的に判断して選ぶことが大切です。

5、まとめ

ここまで、光回線事業者の特徴のご紹介と費用をご覧頂きましたが、ひと昔前まではフレッツ光が定番でしたが、今ではケータイキャリア、プロバイダ事業者と選択肢は非常に多くなっています。
費用面はほぼ似たようなサービスを提供していますが、様々な角度で検討して選ばれることが大切です。


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